
子どもとSNSの距離感:マレーシアの動きに学ぶ、家庭で考える安心設計
家庭のSNSガイドラインづくり:みんなで決めると続けやすい
マレーシアの動きをニュースで知ったご家庭から、「うちも見直そう」という声が広がっています。地域のPTAや学童、児童館でも話し合いの場が生まれています。社会的証明は、心の背中をやさしく押します。「みんながやっている」から安心して始められる。「うちも一緒にやってみようか」。その合図は、家庭に追い風を呼びます。
「ルールは、親だけで作らない。子どもと一緒に作る」
家庭教育の基本
3つの流れで無理なく設計
- 見える化:現状を一緒に振り返る(1日のスクリーンタイム、よく使うアプリ、嬉しかったこと・嫌だったこと)
- 合意:家族の合言葉と基本線を決める(例「夜は心を休める時間」「公開アカウントは作らない」「困ったら大人へ」)
- 設定:道具を味方に(スクリーンタイム/ファミリーリンク/アプリの通知整理/寝室は充電ステーション方式)
サンプル「わが家の7つの約束」
- 夜9時になったら充電ステーションに集合
- 寝室にスマホを持ち込まない
- わからない人からのメッセージは開かない・返事しない
- 公開アカウントは作らない・位置情報はオフ
- 困ったら大人へ、スクショを撮る
- 課金やダウンロードは必ず相談
- 月1回、家族で使い方を見直す
この7つは多くの家庭で実践しやすい「みんなの工夫」を集めたものです。すべて一度にではなく、一つずつで大丈夫。春の雨のように、少しずつ土に染み込ませていくイメージで。
小学生の例
・子ども用端末はリビングのみ/・友だちとのやりとりは夕方6時まで/・動画は家族の画面で一緒に見る日を作る
中学生の例
・部活や塾の連絡アプリのみ通知オン/・就寝1時間前はノー画面/・公開アカウントは作らず、プロフィールは限定公開
高校生の例
・自分でタイムマネジメント(週1で振り返り)/・キャリア探究のアカウントは大人と一緒に設計/・深夜帯の通知はまとめてオフ
合意形成のコツは、「大人も一緒にやる」こと。親だけがルールの外にいると、風は逆向きになります。家族で一緒に取り組むと、風は同じ方向へ。「それでいい、じゃあ一緒にやろう」。その言葉が、子どもの背中を押します。
学校・地域・福祉ができること
教育現場や福祉の支援は、家庭の背中をやさしく支えます。学級通信で家庭の工夫を紹介する、定期面談で「メディアの使い方」を話題に入れる、児童館で親子向けの体験会を開く。やれることは多くありませんが、小さな工夫が集まれば風は変わります。支援機関は、困りごとの早期発見と初期対応の手順を簡潔に。学校は、相談窓口と家庭へのリファーの導線を分かりやすく。地域は、安心して過ごせる「居場所」をひとつ増やす。どれも、今日から始められます。
- 学校:学年だよりで「家庭のスマホルール事例」コーナー
- 地域:児童館・図書館で「静かな時間」企画を月1回
- 福祉:困りごとチェックリストと相談先カードを配布
















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