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母からの連絡がうっとうしい 上野千鶴子さんが提案「軟着陸の工夫」

現実にある悩みのかたち

朝は子の支度、昼は仕事、夕方は保育園や学校からの連絡、夜は家事。そこに時折、実家からの電話やメッセージ。内容は優しさゆえであっても、時間と心の余白が不足している時期には、風が強すぎると感じます。子どもの体調不良、職場の締め切り、パートナーの帰宅時間。条件が少し変わるだけで、受け止められる量の限界も変わるのです。だから反応が薄い日があって、それでいい。季節が移りゆくように、家庭にも波があるのだから。

板挟みを軽くする鍵は、「時間の見える化」と「ルールの共有」。例えば「21時以降は既読だけ、翌朝に返信」と決める。土曜日の午前に10分の定期通話を設ける。家族内での情報共有は、家族グループのメモ機能に集約する。小さな工夫が、風向きを変えます。あなたが相手を嫌っているのではなく、暮らしのリズムに合った連絡の形を探しているだけ。そう伝えられたなら、関係は守られます。

「頑張りすぎる人」が抱える静かなSOS

頑張り屋さんほど、相手の期待を先回りして応えようとします。返信は即時、電話は取りこぼさない、頼まれたら引き受ける。やさしさが自分を追い詰めてしまうこともあるのです。気づかれにくいSOSは、睡眠の浅さ、食欲のムラ、朝の重さとなって現れます。心の天気が崩れやすい日は、晴れを祈るだけでなく、傘とレインコートを準備する。準備とは、言葉のテンプレートや、返答の選択肢のこと。あなたの優しさを守る道具を、今日つくりましょう。

「いい人をやめるのではなく、いい距離を選ぶ。」

支援の現場の実感

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