
「不登校が減った」その先へ。夜明けを待つ家庭のための心理ケアと支援の地図
心を回復させる日常の習慣
呼吸・睡眠・会話・自然接触
- 呼吸:4秒吸って、6秒吐く。3分でよい。心拍が落ち着くと、言葉が戻りやすくなるとされます。
- 睡眠:起床時刻を死守。寝る時刻はブレても、朝の光を浴びる時間を合わせる。朝のカーテンを一緒に開けるだけでOK。
- 会話:内容より温度。「おはよう」「おかえり」を短くやわらかく。問い詰める質問を「観察の共有」に変える(例:「今日は空が白いね」)。
- 自然接触:ベランダの空気、道端の花、夕焼け。1日1回、外の色を一緒に確認する。心の湿度調整になります。
ミニ習慣レシピ:3・3・3のリセット
- 3呼吸:4-6呼吸を3セット。
- 3歩外へ:玄関先でもよい。空気を胸に入れる。
- 3語の声かけ:「大丈夫、ここにいる」。短い安心をくり返す。
家庭の「安心の合図」を作る
言葉にしづらいときのために、色や合図を決めておくのも有効です。例えば、冷蔵庫のマグネットを「赤=ヘルプ」「青=一人にして」「黄=声はOK」にする。非言語の合図は、風が強い日に旗で知らせる灯台のような役割を果たします。合図があると、親も子も「いまはこれでいい」と一息つけます。
学校と家庭の橋渡し:連絡が重くならない工夫
週1「短い連絡」のすすめ
- 形式:メールや連絡帳で3行。①今週の様子 ②できたこと1つ ③次週の希望(例:朝の挨拶だけでOK)。
- 時間帯:親の余裕がある時間に。早朝・深夜は避ける。
- トーン:事実+温度。「今日はカーテンを一緒に開けました。顔色は良好。次は10分のお散歩を目標に。」
「選べる接点」を用意する
子どもが学校と触れる方法は、登校だけではありません。手紙、オンラインのやりとり、プリントの受け取り、15分の玄関面談、校外の教育支援センターの利用など、段階を選べるようにすると、風の弱い日から再開できます。重要なのは、成功体験の積み上げ。小さな「できた」を、積雪の上の足跡のように残します。
「言い換え」テンプレート
- ×「どうして行けないの?」→ ○「今日はどんな空気が心地よさそう?」
- ×「また休むの?」→ ○「休む日もあるね。午前は休んで、午後に10分散歩しようか」
- ×「早く元に戻って」→ ○「いまのペースで大丈夫。戻るより、整えていこう」
言葉の向きを変えると、風の向きも変わる。















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