• HOME
  • 記事
  • 子育て
  • 南大分小の「地域教室」に学ぶー親子で育てる、優しい暮らしと心のケア

南大分小の「地域教室」に学ぶー親子で育てる、優しい暮らしと心のケア

心を回復させる日常の習慣

呼吸・睡眠・会話・自然

暮らしの調子を整える基本は、風の通り道をつくることに似ています。部屋の空気を一度入れ替えると、心のざわめきも少し軽くなるように、呼吸と睡眠、会話と自然にふれる時間が土台になります。呼吸は、四拍で吸って六拍で吐くリズム。吐く息を少し長くするだけで、副交感神経が優位になり、心は春の午後のようにゆるみます。睡眠は、「起きる時刻」を一定にするだけでも質が上がりやすいとされます。会話は、正解探しではなく気持ちの確認。自然接触は、朝日を浴び、風を肌で感じること。どれも、特別な準備はいりません。暮らしにあるものを少し整えるだけで、心の水位は静かに安定していきます。

  • 呼吸:4吸→6吐を3セット。朝と夜、同じ場所で。
  • 睡眠:起床時刻を固定。夜は光を弱める。
  • 会話:一日一回「今日よかったこと」を15秒だけ共有。
  • 自然:窓辺で日光に1〜3分。風の音を聞く。

水や空調の工夫も、この土台にのせると続きやすくなります。たとえば、シャワーの時間を短くする日は、朝の呼吸を少し長めに。エアコンの設定温度を一度だけ見直す日は、薄手の上着やひざ掛けを手の届く場所に。行動には「安心の補助線」を。補助線があると、体と心は新しい選択を受け入れやすくなります。慣れてきたら、子どもに「今日はどれにする?」と選ばせる。選ぶことは、主体性を育てる風。風が吹くと、家のなかの旗がふわりと揺れ、みんなの気持ちが同じ方向を向いていきます。

提案:小さな行動から始めるセルフケア

「完璧」ではなく「一緒に」

家庭で取り入れやすい工夫を、親子の会話スクリプトとセットで用意しました。行動は小さく、言葉は温かく、続ける鍵は「一緒に」。あなたの家のリズムに合わせて、やわらかく調整してください。

  • キッチンの蛇口に「やさしい水」シールを貼る。「今日もやさしく流そうね」と声をかける。
  • お風呂に「2曲だけ」ルール。好きな歌2曲分で上がる。達成したらタオルでハイタッチ。
  • エアコンの設定温度を季節に合わせて1度見直す。体感に合わせ、靴下・ひざ掛けで調整。
  • 夜の照明を一段落とす「夕暮れタイム」を15分。眠りの準備を体と心に知らせる。
  • 週末の朝、「風探し散歩」を10分。近所の木や花の香りを感じ取る。

会話の型(親→子)
「どれなら今日できそう?」
「一緒にやってみよう」
「できたね、気持ちはどう?」

会話の型(子→親)
「ぼくは/わたしはこれを選ぶ」
「次はこうしてみたい」

つまずいた時の言葉
「今日は休む日。明日がある」
「ここまでで十分。ありがとう」

続けるコツ
週に一度だけふりかえり。うまくいった瞬間だけを3つ挙げる。

家庭は訓練の場ではなく、季節が巡る庭。芽が出たら、そのまま喜ぶ。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。