産後の心を守る職場づくりとは何か──離職・人材流出を防ぐ「MUMORY」導入の経営効果

まとめ：あなたも同じかもしれない

産後の心の揺らぎは、誰にでも起こりうる自然な現象です。天気のように、良い日もあれば、曇る日もあります。あなたはすでに十分にやっています。弱さではなく、長い夜を越えた体の声が聞こえているだけです。失わないためのケアは、あなたの未来を守る選択です。早めの気づき、やさしい言葉、仕組みの工夫。職場が温度を取り戻すと、家庭の空気もやわらいでいきます。あなたが守りたいものは、きっと守れます。光は、ゆっくりと戻ってきます。今は、深く息をして、身体の重さを椅子に預けるところから始めてみてください。それで十分です。

付録：参考・出典・感謝のことば

・一次情報：働く女性のメンタルケアを支援 日本初の産後うつ未然防止ソリューション『MUMORY（マモリー）』を株式会社A-BANKと株式会社ノアロンが共同開発（出典：PR TIMESプレスリリース）

・政策的背景：こども家庭庁による産前・産後サポート事業、産後ケア事業について（出典：こども家庭庁「母子保健・産後ケア事業」関連ページ）。産後ケアの制度的な支えを知ることで、個人と職場だけでなく、自治体や社会資源と連携した支援のイメージを持ちやすくなります。

・用語解釈：本稿でいう「予防」「未然防止」は、早期の気づきと相談、環境調整を含む広い意味での支援を指し、診断や治療の代替を意図するものではありません。体調に不安があるときは、各自治体の相談窓口や医療機関等に早めにご相談いただきたいです。

・ES（従業員満足）や心理的安全性は、日々の言葉と設計で高まるとされています。数字を上げるためではなく、呼吸を守るために取り組み、結果として指標が整っていくのが理想だと考えます。関連テーマとして、サイト内の「メンタルが崩れる前にできる職場の予防策」を解説した記事もあわせてご覧いただくと、経営の視点から全体像をつかみやすくなります。

小さな提案

• 週に一度、5分の「天気予報会議」を家庭と職場で開きます。来週の晴れ間と雨雲を共有するイメージです。
• 「無理なく休むルール」を先に決めておきます。体調が崩れてからではなく、元気なうちに取り決めておくことで、安心して休みやすくなります。
• 復職初月は「成果」より「リズム」を指標にします。帰宅直後の10分を“無言タイム”にして、呼吸を整える時間にしてみるのも一つの方法です。

「守るために、少しずつ手放す。」

（文・笠原 藍）