「大火傷を追う勘違いセルフブランディング」が会社を殺す前に──中小企業が生き残るPR経営

【Q&A】社長の悩み相談室

Q. SNSで目立てば売上は伸びますか？

A. 目立つこと自体は目的ではない。売上は「想起されるべき場面」で思い出され、「信じる根拠」が揃った時に伸びる。SNSは入口の一つに過ぎない。場面設計なしの発信は、照準なき弾の連射である。あなたの顧客が購入前に迎える3つの局面（情報収集・比較検討・決裁）ごとに、必要な証拠を置け。

Q. 中小企業にブランディングは早すぎませんか？

A. むしろ早いほど良い。大企業は抽象的なコアに縛られるが、中小は尖った定義ができ、社内浸透も速い。先に旗を立てる者が「場面」を占拠する。あなたの地域、あなたの顧客層、あなたの敵──狭く深く決めれば勝てる。大企業と正面衝突をする必要はない。

Q. メディア取材が来ないのはなぜ？

A. 「ニュース価値」と「第三者の裏付け」が足りない。社会課題への接続、時流との一致、外部の証拠──三点が並ぶと記者は動く。自社発の白書、大学との共同研究、顧客データの匿名統計などを四半期で用意し、ピッチは「社会にとっての意味」から始めること。

Q. 炎上が怖い。発信を控えるべき？

A. 沈黙は最悪のリスクヘッジだ。平時の信用残高がなければ、非常時に借りられる信頼はない。発信をやめるのではなく、SECに沿って「事実の濃度」を高めよ。現場を磨き、顧客成果を記録し、弱点を先に開示する。透明な会社は炎上しても燃え広がらない。