キャラクター・ラブブ（LABUBU）を生み出したポップマートの株価が大きく下落

解決策の提示：制度設計と現場の打ち手

解決は「情報の非対称」を縮め、「需給の見えざる部分」を開示することから始まる。企業・投資家・取引所/当局の三者に分けて提示する。

1. 企業（発行体）の打ち手

• IP集中度の四半期開示：トップ5 IP売上比率、売れ筋IPの在庫回転日数、SKU別の販売比率（レンジ開示でも可）
• 需給の安定化：抽選/限定から「常設・受注生産」の比率を引き上げ、二次市場スプレッドを縮小
• 在庫KPIの目標レンジ提示：在庫回転日数の目標帯（例：45±5日）と、逸脱時の是正策
• ライセンス/海外分散の進捗の定量化：新規IPのテスト販売→スケール投入までのフェーズゲートを開示

「IP集中のリスクは、情報開示でプレミアムの“質”に変えられる」

2. 投資家（機関・個人）の打ち手

• 撤退ルールのKPI化：在庫回転の悪化、トップIP比率の上昇、二次市場スプレッドの収斂のうち2項目悪化でリスク半減
• オルタナデータの指標化：完売速度・検索量・転売スプレッドを指数化し、四半期の方向性評価のみで採用
• バリュエーションの「質的分解」：P/Sを（基礎売上×持続率×新規IP期待）に分解し、期待項の上限を設定
• ヘッジの実務：デルタ−0.3〜−0.5のコストレンジに収まるプット買いを平準化、信用・レバの多用を避ける

3. 取引所・当局の打ち手

• IP集中度・在庫KPIのガイダンス開示を推奨事項化
• オルタナデータの使用指針：虚偽/操作的データ利用のIR規範を整備
• 市場健全化：極端な転売市場依存の商品供給方式に対し、開示の強化を求める

注：売上・利益率・P/Sは概念試算（※推計）。正確な評価には最新決算・ガイダンスが必要。