AI就活でESが機能不全。中小企業の採用損失を止める設計

論説・執筆:坂本 美咲(教育社会解説者 / 元新聞論説委員)

  • 【30秒で読む】社長が読む理由
  • 事実:生成AIの普及でESの文面が同質化し、企業側で識別が難しくなっています(NHK報道)。
  • 社長に効く論点:ES依存を続けるほど、ミスマッチ採用(早期離職・育成コスト増)の損失が拡大しやすくなります。
  • 結論:これからは「書かれた言葉」より「働く体温(行動証拠)」を測る設計に切り替えるべきです。

手のひらの温度は正直です。冬の帰り道、指先が冷えるほど、自分がどれだけ緊張しているかがわかります。採用も同じで、書類は整っていても現場は冷えていないかを見落としがちです。就活のエントリーシート(ES)が、生成AIの普及によって似通い、企業が廃止を検討する動きも出ている――そんな報道は、社長にとって「採用の入口が壊れつつある」サインだと私は考えています。

ここで問うべきは、AIの善悪ではありません。問題は、「何を測りたいのか」と「どう測っているのか」のズレです。ESに頼り続けるほど、社長は採用の損失(早期離職・教育コスト・現場疲弊)を抱え込みやすくなります。だからこそ本稿では、中小企業でも実装できる「ES後の採用設計」を、比較表とロードマップで具体化します。

※関連して、採用の公平性・差別防止の観点は、厚労省の「公正な採用選考の基本」も必ず押さえてください。公正な採用選考の基本(厚生労働省)

目次


導入:AI就活でESが限界に見える理由

社長が採用で最も恐れるのは、たいてい「失敗」です。だから人は、失うことを避ける方向に動きます。採用も同じで、形式(ES)にしがみつくほど安心に見えます。しかし今は逆で、形式が壊れ始めています。生成AIが普及すると、文章は整いますが、応募者の差が見えにくくなります。その結果、ESに頼るほど逸してはいけない人材を取り逃がすリスクが高まります。

社長が今すぐ押さえるべき観点は、「AIを見抜く」より「行動証拠で測る」です。つまり、書かれた言葉より、働く体温を採る設計に切り替えることです。

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