評価されない時間が会社を強くする――ルース・アサワに学ぶ「クリエイティブの寿命」

現場の視点:クリエイティブ・デザイン業の食卓から

夜更け、キッチンの灯りだけがついたリビングで、デザイン事務所の友人は皿を片づけながら言いました。「今日も伝わりませんでした」。プレゼンで、あの微細な余白の意味は、言葉にする前に消えてしまったそうです。しかし、子どもがチラシに丸を描いて言いました。「ここ、まるいのがすきです」。意図は、ときに最短の言葉ではなく、最短の手触りに宿ります。

だからこそ、社長の役割は「正解を当てること」よりも、価値が伝わる手触りを設計することです。たとえば、提案書だけでなく触れられるサンプル、1分の短い映像、試作の比較写真、制作のログなど、相手の尺度に合わせた入口を用意します。これはデザイン経営の基本でもあります(内部リンク:社長のためのデザイン経営フレーム)。

「評価は祝祭、制作は日常です」。祝祭は短く、日常は長いです。メディアに取り上げられる日は祝祭ですが、本当の寿命は取材のない365日をどう生きるかで決まります。アサワの回顧展が示すのは、作品の価値だけではなく、続ける技法でもあります。

外部の一次情報として、MoMAのプレス情報も参照できます(外部リンク:MoMA Press)。経営に翻訳するなら、次の一行です。「露出は完成の報酬ではなく、完成へ向かう工程です」

正当に評価されなかった時間をどう生き延びるかが、企業とブランドの“本当の寿命”を決めます。

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