スタバ苦戦の真因は「単価×頻度×客数」だった——飲食店の勝ち筋を数式で再設計

数字で読み解くニュースの全貌

NHKの報道(スタバが発祥の地で苦戦?コーヒー競争激化)は、一企業の業績動向というより、飲食の規則性が変わったことを示しています。物価、賃金、都市動線、決済手数料という四つの制約条件が同時に動いた結果、来店頻度(F)、平均客単価(P)、客数(N)の乗算で定義される売上(R=P×F×N)の最適点がズレました。

価格を上げると短期的にPは上がりやすい一方、FとNに負の弾力性が働きます。競合が増え、代替財(コンビニ・ローカルロースター・RTD・ベーカリー併設店など)が便益を高めるほど、FとNの下押し圧力は強くなります。ここが「知名度だけでは解決しない」理由です。一次情報として、スターバックスの決算・資料はStarbucks公式IRでも確認できます。

さらに在宅勤務比率の定着により、都心の通勤流動が恒常的に減りました。都心の朝・昼のピーク流入が薄くなれば、同地点の「自然客数N」は構造的に縮小します。家計は名目賃金が上がっても、実質可処分所得の感覚では裁量支出を抑えがちです。国内の家計支出の動向は、総務省統計局の家計調査が参考になります。

「売上は“知名度の関数”ではありません。R=P×F×Nの最適点を、都市動線と競争構造に合わせて毎期更新する管理の関数です」

関連して、ユニットエコノミクスの作り方は過去記事「飲食店のユニットエコノミクス入門」もあわせてご覧ください。

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