食品3500品目値上げで粗利が消える:飲食店「価格設計・仕入れ・契約」3点セット

解説・執筆:石垣 隆(経済政策アナリスト / 元経済紙論説委員)

  • 統計事実:食品約3500品目で追加値上げが予定され、食料インフレは高止まりしています(一次情報:NHK)。
  • 構造課題:為替・物流・賃金・契約慣行が同時にコストを押し上げる多重要因になっています。
  • 石垣の提言:価格設計・調達・契約を同時に再設計し、インフレ連動型へ移行する必要があります。

結論は明確です。食品の値上げは一時的な現象ではなく、為替・エネルギー・物流・賃金・契約慣行の同時変化がもたらす構造変化です。飲食業は「価格転嫁・商品設計・仕入れ戦略」を遅らせるほど、利益とキャッシュを失いやすくなります。今期の意思決定が3年先の体力差を決めます。損失回避の観点でも、先送りのコストが最大のコストです。

目次

数字で読み解くニュースの全貌

NHKの報道では、国内で流通する食品のうち約3500品目で新たな値上げが予定・見込まれています(一次情報:食品3500品目値上げへ(NHK))。価格改定の波は2022年以降も断続的に続いており、今回は「第◯波」のような単発では捉えにくい累積性が特徴です。背景には、円安による輸入コストの上昇、エネルギー・包装材・物流費の高止まり、労働需給の逼迫と最低賃金の引き上げが重層的に作用しています。

飲食業に限っても、材料費(食品・調味料・油脂)に加えて、配送コスト・人件費・光熱費が同期的に上昇し、粗利率と営業利益率の双方を圧迫しやすい状況です。統計の取り方は複数ありますが、家計側の物価は消費者物価指数(CPI)で、企業側のコスト圧力は企業物価指数(PPI)で確認できます。

「いま動かないコストが、最大のコストです。」

価格転嫁・商品設計・調達再設計を同時に進めます

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