口座売買は犯罪──警察庁ショート動画が示す抑止の光と拡散の影

【Q&A】深層解説:現場の「本当に知りたい」に答える

Q1. 口座売買に社員が関与したら、企業はどうなる?

A. 事案の大小を問わず、AML/内部統制の重大リスク。刑事責任は個人が負うとしても、企業にとっては顧客保護義務違反、三線防衛の機能不全、再発防止命令のリスクが現実化する。採用・委託の身元管理、BYODの分離、異常トランザクションの内偵ルールなど、「社員の私物口座」も含むリスクアセスメントが必要だ。

Q2. 「犯収法」の罰則はどの程度重い?

A. 通帳やキャッシュカードの譲渡・売買は原則違法で、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になり得るという解説が広く用いられる(犯収法の規定等に基づく)。また、詐欺利用を認識していれば、詐欺の共犯/幇助や犯罪収益隠匿等で、より重い処罰が想定される。重要なのは、「安易な名義貸しが、法的には“共犯の入口”」に立つという理解だ。具体的運用は個別事案と司法判断に依存する。

Q3. 金融機関は「動画」にどう乗るべき?

A. 広報は必要条件。本丸は、「検知→遮断→通報」の分解能を上げる運用。短尺の注意喚起を自社チャネルで展開しつつ、eKYCの多層化、端末・IPリスクのスコア化、少額多頻度の出金シナリオ検出に投資すべきだ。さらに、学生・新社会人向けに「口座=信用資産」という金融教育を組み込む。動画のリーチと、現場のルールが同時に強くなるときだけ、離反のインセンティブを上回れる。

Q4. 投資プラットフォーム(証券/暗号資産)は何に注意?

A. “口座売買の次の受け皿”にならない設計。本人確認の再認証、出金先ホワイトリスト、新規アカウントの出金上限の段階解放、P2P送金のクールダウン期間などを標準化する。さらに、疑わしい取引の説明責任(ナラティブベースの再質問)を導入すると、検知の精度が上がる。UX低下の反動は避けられないが、最悪の未来(レピュテーション喪失+行政処分)に比べれば軽い。


覚えておくべき一文:「口座は“器”。割れるのは一瞬、焼き直しは一生。」

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