取適法で製造業の価格交渉は「仕組み化」へ——手形禁止・価格転嫁・資金繰りを守るOPC型

【Q&A】制度と課題の深層

Q. 取適法は「価格の引上げ」を義務付けるのか?

A. 義務づけるのは価格の「引上げ」ではなく「協議」である。受託側が見直しを求めた場合、発注側は協議に応じなければならない。これは交渉プロセスの透明化と合理性確保を目的とする。合意価格は双方のデータに基づき決まるが、プロセスが可視化されるほど、コスト上昇の合理的転嫁は通りやすくなる。

Q. 手形禁止で、買い手側の資金繰りは悪化するのでは?

A. 短期的には買い手のDPO(支払サイト)が短縮され、運転資金が増える。しかしサプライヤーのDSO短縮で供給の安定性が高まり、調達コストの非価格要素(遅延・不良・突発停止)の期待損失が減る。加えて、与信管理と早期支払割引(ダイナミックディスカウント)の導入で純コストは最適化できる。

Q. 協議に応じたが合意できない場合、どうなるか?

A. 制度は合意を強制しない。重要なのは、協議に応じ、合理的根拠を示し、記録を残すことである。プロセス遵守はコンプライアンスの主戦場であり、紛争時のコストを大幅に低下させる。合意に至らない場合でも、段階的な数量・仕様・納期の調整や、暫定単価の設定など、リスクを分散する実務の選択肢は広い。

Q. 海外調達・海外子会社の取引はどう扱うべきか?

A. 適用範囲の詳細は法令・ガイドラインの確認が前提となるが、実務としてはグローバルで同一の交渉・記録・支払の標準を敷く方が合理的である。リージョン別規制差はワークフローで吸収し、証跡と根拠の一元管理で内部統制を強化するのがコスト最小となる。

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