「親を支えた職場」だけが人材を守る——NICUの絆づくりが示す“辞めない現場”の作り方

現状と背景:なぜNICUの絆支援が必要なのですか

「NICUの絆づくり」とは何ですか

NICUの絆づくりとは、医療処置の質を保ちながら、親と赤ちゃんが「見つめ合い・触れ合い・語り合う」時間と機会を意図的に増やす取り組みです。具体的には、カンガルーケア(肌と肌の抱っこ)家族中心ケア(Family-Centered Care)面会時間の拡大親のケア参加(おむつ替え・搾乳・読み聞かせ)スタッフによる心理的サポートなどが含まれます。

たとえば米国小児科学会(AAP)でも、スキン・トゥ・スキンケアの知見が整理されています(外部リンク:AAP: Skin-to-Skin Care(2015))。また国内では、日本周産期・新生児医学会の「早期母子接触」資料が参考になります(外部リンク:日本周産期・新生児医学会:早期母子接触(PDF))。

従来型から家族中心へ:違いを比較します

実装には、感染対策、病棟レイアウト、スタッフ負担、家族の時間・費用など、現実的な調整が必要です。ここでは全体像を分かりやすく整理します。

観点 従来型の運用 家族中心ケア(FCC) カンガルーケア重視
親の滞在時間 制限が多い 柔軟・24時間化へ 抱っこ時間を計画的に確保
触れ合い 医療優先で機会が少なめ 日課に組み込む 肌と肌の抱っこを中核に
ケア参加 限定的 おむつ・授乳・読み聞かせ等を共に 抱っこ前後のケアを一緒に
心理支援 個別説明中心 ピアサポート・相談を併用 触れ合い時の感情ケアを重視
情報共有 医療者→家族の一方向が中心 共同意思決定・小さな学びの積み上げ 抱っこ中の変化を一緒に学ぶ
導入の壁 慣習・物理的制約 教育・シフト調整・空間整備 安全手順・時間配分の再設計
期待効果 標準的な治療の遂行 親の安心感・退院後の自信 体温・睡眠の安定、愛着の深まり
表1:NICUにおける絆支援の全体像(一般的整理)

ここで社長視点を足します。「仕組みが優しいと、人は優しくなれます」。これは医療だけでなく、福祉・介護の現場にもそのまま当てはまります。現場のルールが不親切だと、支援する側も追い込まれます。逆に、運用が分かりやすいと、職員は余裕を取り戻し、離職が減ります。親の心を支える設計は、人材定着を左右する経営課題です

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