物価高でも売上が落ちにくい理由──推し活3.5兆円に学ぶ「中小小売の売り場設計」とKPI

【Q&A】心との対話

Q. 物価高で財布が厳しい。推し活はやめるべき?

A. やめるのではなく、言葉にして整える。推し活は浪費ではなく、「自分を諦めない」ための基礎代謝に近い。月額の「推し予算」を明確化し、生活費と別財布にする。店側はその前提を理解し、小刻みな喜び(500~1,500円のミニ儀式)を用意することで、罪悪感なき選択肢を提供できる。

Q. Z世代だけを狙うべき? 中高年の推し活はどう見る?

A. 「世代」より「儀式」で区切る。可処分所得のある中高年は、質の良い限定品や、落ち着いた撮影環境に価値を置く傾向が強い。早朝整理券や静音時間の導入、老眼に配慮したポップ、座って交流できる小さなテーブル。世代ごとの配慮は、「同じ温度の別の器」を用意することだ。

Q. 推し活の熱が落ち着いたとき、売上は急降下しない?

A. 熱は波だが、構造は残る。単一IP依存を避け、テーマ横断の「沼の入口」を複数つくる(音楽×カフェ、アニメ×文具、スポーツ×日用品)。顧客の「推し遷移」を記録するノートを店内で運用し、次の入口を提案する。推しの熱に乗るのではなく、「推せる自分」を支える設計へ。

Q. 具体的なKPIは? 売上以外に何を見ればいい?

A. 「沼度」を測る。UGC投稿率、限定完売速度、発売日売上比率、同伴来店率、回遊距離、再訪間隔。これらを月1で壁に貼り出し、店と顧客が一緒に見える化する。指標が「共有された物語」になると、改善は共同作業になる。

指標名定義目安アクション
UGC投稿率来店者のうちSNSに投稿した割合10〜20%撮影スポット整備・ハッシュタグ提示
限定完売速度限定商品の発売から完売までの時間24〜72時間事前告知・整理券・次回予告
同伴来店率2人以上での来店比率30〜40%布教割・二人用フォト台紙
回遊距離店内導線の平均移動距離1.5〜2.5倍スタンプラリー・分散陳列
再訪間隔同一顧客の来店間隔14〜30日月次儀式・カレンダー運用

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