
エアロトヨタから学ぶ不妊治療と仕事の両立支援——中小企業の離職防止「Lv.1→Lv.3」実装ロードマップ
課題と背景
「プラチナくるみんプラス」とは?基礎知識
厚生労働省の「くるみん」認定は、子育てサポートに優れた企業を称える制度です。「プラチナくるみん」はより高水準の取り組みを達成した企業へ。「プラチナくるみんプラス」は、さらに不妊治療との両立支援など、ライフイベントに寄り添う先進的な実装に光を当てています。つまり、単なる育休の取得率だけでなく、治療・通院・メンタル面も含む総合的な支援が評価軸になっているのです。
| 制度 | 主な評価項目 | 不妊治療支援 | 運用の難易度(体感) |
|---|---|---|---|
| くるみん | 育児休業の取得率、残業抑制 等 | 必須ではない | 低〜中 |
| プラチナくるみん | 高い取得率、長時間労働是正、柔軟勤務 等 | 推奨・先進例あり | 中 |
| プラチナくるみんプラス | 上記に加え不妊治療・相談体制・休暇制度 | 評価の中核 | 中〜高(だが効果大) |
エアロトヨタは、この「プラス」領域に正面から取り組み、テレワークや時短、専門相談、社内座談会や健康ポータル、時間単位有休、ライフサポート休暇などを組み合わせています。ポイントは「制度単体」ではなく、「休み方の型」「相談の窓口」「職場の理解」をセットで設計していることです。
データで見る「個人の悩み・企業の壁」
不妊は特別な誰かの問題ではありません。WHO(2023)は世界で約6人に1人が不妊を経験すると報告。日本では2022年から先進医療の一部が保険適用になり、治療へのアクセスは広がりましたが、「治療時間の確保」「上司・同僚の理解」「キャリア影響の不安」という壁は依然として厚いのです。
| 項目 | 個人の実感 | 企業の懸念 | 放置した場合の損失(例) |
|---|---|---|---|
| 治療と勤務の両立 | 通院は平日昼間が多く、突発休が必要 | 人員シフト・顧客対応が崩れる | 離職・休業の増加、生産性低下 |
| プライバシー | 上司に話しにくい、同僚に気を遣う | 情報の扱いミスが炎上・不信に直結 | 心理的安全性の低下、エンゲージメント喪失 |
| キャリア不安 | 評価・昇進に不利と感じやすい | 人事評価の公平性の設計が難しい | 優秀層の転職・採用競争で不利 |
| コスト意識 | 治療費や通院負担が重い | 制度導入費用が気になる | 補充採用・再育成費の方が高額になりやすい |
採用と育成にかかるコストは、一人当たり年収の30〜60%が目安とも言われます。離職が連鎖すれば、現場の疲弊は加速します。だからこそ私は、「最小の制度で最大の離職防止」を狙う設計を提案します。次の章では、実際にどのような「小さな革命」が現場で起きたのかを見ていきましょう。













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