経産省2026予算でAI・半導体1.239兆円──中小企業が売上に変える10年戦略

将来予測:10年後のシナリオ(2026→2036)

10年の視点で重要なのは「国内の計算資源・先端製造の内製率」「無形資産の厚み」である。補助金や税制は時間を買う手段に過ぎず、勝敗は需要と人材に帰着する。シナリオは三つに整理できる。

シナリオ特徴主なKPI企業への含意
上振れ(加速)内製率の高まり、電力コスト安定、人材流入国内AI計算供給比率↑、先端ノード量産、LCOE低下高付加価値の外販ビジネス拡大、輸出増
中位(現実路線)主要分野で選択と集中、限定的な内製重点領域でのKPI達成、他は外部依存共通モジュールの再利用でROI確保
下振れ(停滞)エネルギー・人材制約、需要創出不足外部計算費の恒常的増加、投資回収遅延固定費圧迫、価格転嫁困難、競争力低下

上振れの肝は「需要の内生化」である。公共調達・規制サンドボックス・標準化を通じて、国内での実装機会を増やすほど、学習データが厚くなり、モデル性能が改善し、さらに需要が呼び込まれる正の循環が回る。一方、停滞シナリオでは、外部クラウド・IP・設計資産への支払いが増え、経常収支の構造的悪化を招く。

経営者への実務示唆:投資意思決定は「待つほど不利」である。同一の設備でも、導入初期からデータを蓄積した企業が、後発組に対し構造的な優位を持つからである。市場がピークに見える時に買うのでは遅い。ROIの物語は、KPIの一貫した改善とキャッシュフローの平準化で、社内・金融を説得するデータを積み上げることだ。

「時間を買う」こと自体が投資リターンである—早く始めるほど、データは複利で貯まる。


参考・出典 / 署名

出典:https://toyokeizai.net/articles/-/926558?display=b

参考:https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2026/index.html?utm_source=chatgpt.com

補足エビデンス(一般参照):OECD「Main Science and Technology Indicators」各年版(無形資産投資と生産性の関連)、各国CHIPS/AI関連政策の公表資料(制度比較)、国内統計(総務省統計局・内閣府国民経済計算)等。具体値は公開資料時点の範囲で引用・推計した。

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(文・松永 渉)


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