
中小企業の健康経営は“食環境”から――置き食の導入ポイント4つ
導入チェックリスト【4項目】
1) 目的と「見る数字」を決めた
- 目的は明確(例:午後の眠気対策/残業の質改善/欠勤・離職の予防/採用PR)
- KPIを1〜2個だけ決めた(例:15時以降の間食・離席の減少(体感アンケ)/残業時間/ミス・手戻り/体調不良欠勤)
- “福利厚生”ではなく「仕事のパフォーマンス設計」として社内で位置付けた
2) 置きたい「部署」と「時間帯」が決まった
- 忙しい部署(繁忙・残業が出やすい)を優先対象にした
- 利用シーンを想定した(例:昼に外へ出られない/会議が詰まる/買いに行く時間がない)
- ヒアリングは最小限で実施(昼休み、困ることは?いま食べがちなのは?置き食に求める条件は?(早い・安い・栄養・選べる))
3) 運用が「ラクに回る」設計になっている
- 設置場所は導線が良い(休憩スペース/給湯室/人が自然に通る場所)
- “取りに行きやすい”だけでなく、食べやすい場所もある(椅子・テーブル・電子レンジ等)
- 衛生・ゴミ・補充のルールが最低限決まっている(掲示1枚レベルでOK)
4)“強制しない・選べる健康”のルールにした
- 会社のスタンスが明確:利用は自由(参加圧を作らない)
- 価格設計を決めた(社員負担/一部補助/トライアル期間だけ補助 など)
- “健康の正しさ”を押し付けない(選択肢がある=文化になる)
- 不公平感が出ない工夫を入れた(例:夜勤やシフトにも配慮/偏りが出たら見直す)
考察と受容:痛みを受け入れるということ
痛みを語るとき、私たちはしばしば「大きな物語」に頼る。働き方改革、ダイバーシティ、ウェルビーイング。どれも正しい。しかし、午後二時の胃の痛みには、もっと小さな言葉が似合う。湯気、塩梅(あんばい)、箸先の重さ、温かさの持続時間。身体は、政策の言葉では動かない。湯気の上がる現場で動く。
福利厚生の設計で忘れたくないのは、「誰のためにあるのか」を、いつも身体の側から確かめることだ。意識の高い人だけが辿り着ける山頂ではなく、エレベータを降りたらすぐそこにある平地であること。忙しい人ほど届きやすく、疲れた人ほど選びやすい導線であること。善意を、可用性に翻訳する作業が、実装と呼ばれる。
会社の設計が、午後の眠気・残業の質・ミス・離職の芽を減らす。これは魔法ではない。けれど、魔法が不要になるくらい、日常を整える効き目がある。オフィスグリコ×GREEN SPOONの協働は、その「整える」の具体例だ。拠点が順次拡大していく過程で、設置の高さ、動線、レンジの数、掲示のわかりやすさ――細部のやさしさが、文化のやさしさへと育っていく。
そして、個人としての受容。空腹を責めない。間に合わせの菓子を選んだ自分を責めない。責める声は、回復の力を弱める。次にできる一歩を、小さく準備する。弁当に添えられたスプーンは、あなたの罪悪感をすくうためにあるのかもしれない。食べることは、生きることの最小単位。だからこそ、やさしくしていい。
「私たちは、『ちゃんと食べる』を諦めなくていい。」













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