共同親権「4月施行」で人件費が増える会社・減る会社——欠勤・離職を止める就業規則の作り方

2. 現状分析:共同親権で何が変わり、何が増えるのか

2-1. 「共同親権」とは?企業が押さえる経済的定義

共同親権とは、離婚後に「親権(子の監護・教育・法律行為の同意など)」を父母が共同で担う選択肢が導入される設計です。企業実務に落とすと、コストは主に次の3つで決まります。

  • 合意コスト:学校・医療・転居等の意思決定で、調整の機会が増えやすいです。
  • 時間配分コスト:面会交流・協議・手続きが、業務時間帯に発生する確率が高いです。
  • 紛争コスト:合意が崩れたときの調停・照会・相談が、属人化すると高くつきます。

影響が大きいのは、時間裁量の少ない現場職・シフト職です。一方、管理職や専門職は、在宅・中抜け・フレックスの「標準運用」が整っていれば吸収できます。つまり、社長が管理すべきは制度ではなく運用設計です。

現場職でも回る「シフト設計」の考え方は、次の記事と接続します: スワップシフト標準化で欠勤を平準化する方法

2-2. データが示す「不都合な真実」

人事部門の見落としは、面会交流や養育計画の合意形成が「業務時間内に起きやすい」点です。旧来の家族モデル前提で勤務制度が固定されている企業ほど、欠勤・中抜けの増勢が「揉め事」になり、結果として離職に繋がりやすくなります。

指標現状共同親権導入後の変化仮説企業への含意
離婚件数年18万5,895組(直近概数)短期は関与拡大で調整時間が増えやすいです欠勤・中抜けを「平準化」する設計が必要です
面会交流取り決めや履行の課題が残ります養育計画の標準化が進みやすいです申請フローを定型化し、属人化を防ぎます
労働時間裁量現場職は裁量が限定的です裁量拡大ニーズが上昇しやすいです時間単位休・一時在宅・スワップを組み合わせます
法務対応個別対応・属人化が起きがちです書式・手順の定型化が進みやすいですガイドライン・稟議を「短縮」します

家庭裁判所実務でも、面会交流等の事件が増加傾向にあると整理されています(外部リンク): 裁判所|家事事件及び人事訴訟事件の概況。 社長がやるべきことはシンプルで、「相談が増える前提」で先に運用を作ることです。

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