共同親権「4月施行」で人件費が増える会社・減る会社——欠勤・離職を止める就業規則の作り方

5. 解決策:就業規則・勤務設計・相談フローの実装手順

共同親権の運用は、人事制度の「損失回避」設計で成功確率が上がります。つまり「何を失わないか」から逆算して制度を決めます。失うリスクは、離職・訴訟・ハラスメント・生産性低下の4つです。

  • 手順1:就業規則を最小改定(定義・手続・証憑)します。
  • 手順2:運用設計(フレックス・在宅・中抜け)を標準化します。
  • 手順3:合意書の扱いは「任意+保護ルール」を明記します。
  • 手順4:一次相談をトリアージ(人事・産業医・EAP・法務)します。
  • 手順5:匿名化データでKPI管理し、再発防止を回します。
KPI定義初期目標データ源
欠勤関連の発生件数面会・協議等を理由とする欠勤・中抜け四半期で横ばい以下勤怠システム
一次相談の解決率人事窓口で解決した割合60%以上相談記録(匿名化)
法務エスカレーション率法務・外部弁護士に送客した割合20%以下法務台帳
離職率(該当者)該当者の12か月離職率全社平均±1pp以内人事データ

運用の肝は「時間の再配分」です。面会交流・調停期日・学校行事の分散吸収には、時間単位の中抜け・短時間在宅・フレックスの裁量拡張が効きます。現場要件を変えずに吸収するなら、スワップシフト+休日明けの在宅集中枠の組み合わせが、費用対効果に優れます。

シナリオ相談件数欠勤・中抜け時間外部法務費用離職追加数概算コスト
低位30件240時間50万円0〜1人200〜400万円
中位60件400時間150万円1〜2人500〜900万円
高位100件720時間300万円2〜4人1,000〜2,000万円

「制度は『書くこと』より『回すこと』にコストがかかります」だからこそ、最初の四半期で規程とフローを整え、次の四半期で現場教育を当てるのが合理的です。

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