
ニセ社長詐欺が急増――中小企業が今すぐできる会社を守る5つの仕組み
【Q&A】技術実装の論点
Q. 承認の段階化で現場が遅くならないか?
A. 遅くしない設計は可能である。金額閾値を3段階にし、通常支払いは「自動承認+事後監査」、高額のみ「2人承認」、特大は「3人承認+冷却期間」とする。承認者の不在時には代行者を自動割当し、SLAを超過しそうな案件のみアラートで引き上げる。摩擦は“高額・急ぎ”に集中させるのが原則だ。
Q. DMARCを導入すれば十分か?
A. 必要だが十分ではない。DMARC/SPF/DKIMは“自社ドメインの成りすましメール”を減らすが、別ドメイン・フリーメール・メッセージアプリ経由の偽装には効かない。メールゲートウェイの外部タグ付与や、社長名の専用警告ルールは有効だが、最終的な資金流出を止めるのは承認制度と冷却期間である。
Q. LINEなど私用チャネルは全面禁止すべきか?
A. 現実的には「禁止」より「正規の代替+ゲート化」が効く。業務チャット(SSO・監査ログ・DLP付き)を標準に据え、外部とのやり取りは管理者の承認を必須にする。どうしてもLINEが必要な場合は、「金銭・口座情報は扱わない」「グループ作成は管理者同席」「業務時間外の指示は無効」の3原則を明文化する。
Q. スタートアップなど小規模組織での最小構成は?
A. 最低限は「二人承認(創業者とCFO/バックオフィス)」「コールバック規約」「口座ホワイトリスト」の三点でよい。数百万〜数千万円の出費が集中する成長局面ほど、例外適用を禁じる。スピードは「事前の準備」で確保し、「例外のショートカット」では確保しない。
「スピードは例外で作らない。準備で作る」













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