
じゃがいも高騰「平年比1.5倍」が示す──中小企業の原材料高に負けない「仕入れ×価格転嫁」5つの打ち手と制度設計
【Q&A】制度と課題の深層
Q1. なぜ価格に転嫁できないのか?
A. 理由は三つである。(1)固定価格・固定期間契約の比率が高く、指数連動条項がない。(2)メニュー価格改定の意思決定が四半期〜半期単位で遅延しがちである。(3)顧客離反を恐れ、値上げの心理的障壁が高い。これらは制度設計に起因する。飲食業は「仕入れ価格×指数=販売価格の一部連動」を宣言し、事前告知と段階的改定(階段式)を導入することで、顧客理解を得ながら転嫁を平準化できる。
Q2. 価格はいつ下がるのか?
A. 農水省見通しでは高値傾向がしばらく続く。気象の平常化と次作の作付回復が条件であるが、猛暑・少雨の頻度上昇が構造的に続くなら、価格のボラティリティは高止まりする可能性が高い。期待形成は「元の水準へ回帰」ではなく、「変動レンジの拡大」を前提に行うべきである。
Q3. 規格外(ふぞろい品)を使うと品質が落ちないか?
A. 加熱・マッシュ系メニュー(ポテトサラダ、コロッケ、グラタン)では、サイズの不揃いは品質に与える影響が小さい。一方、フライドポテトのようにカットサイズの均一が求められるメニューでは、規格外の受け入れは「カット規格の再定義」「太さ別の二段フライ」「提供時のサイズ告知」とセットにする必要がある。規格外を「用途限定」で使い分ける運用が鍵である。
Q4. 代替食材・冷凍品への切替はコスト増にならないか?
A. 短期は単価が上がる場合があるが、歩留まりと人件費を含む「総原価」で比較すれば有利な局面がある。冷凍カット品は皮むき・カット工程を内包するため、1人時あたり提供数量が増える。価格の指数連動が可能ならば、総原価での最適解は冷凍品・規格外の併用になることが多い。














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