
熊本・山江のヤマメと水が紡ぐ食の地域ブランディング——地域の食をブランド化する3つの手順
【Q&A】感性の対話
Q. 「渓流の女王」という言葉は、過剰ではありませんか?
A. 過剰にも簡素にもなるのが形容だ。鍵は、呼称を装飾ではなく「観察の入口」にすること。パーマークの影、水温の微差、焼きの皮音。名が指すディテールを体験設計に落とし込めば、“女王”は誇張ではなく、「透明度の指標」へと変わる。名が説明を代替する時、物語は価格を押し上げる。
Q. 地域外からの来訪者に、何を最初に見せればいい?
A. まずは水の速さだ。川面を見せ、耳を澄ませ、指をひたす。次に孵化場の光。最後に皿。順番を誤ると、皿はただの料理に留まる。川→孵化→調理→語りの順で、感受の層を重ねる。これは教育でも同じ。「因果の順番」が、記憶の強度を決める。
Q. サステナブルな養殖とブランド価値は両立しますか?
A. 両立どころか、相互依存だ。飼育密度の適正化、水質モニタリング、在来生態系への配慮は、味とストーリーの根幹を構成する。透明性の高いデータ開示(例えば水温と溶存酸素の週報)は、「信頼という調味料」になる。倫理は味を薄めない。むしろ、味の輪郭をくっきりさせる。
| 観点 | 具体策 | ブランド効果 |
|---|---|---|
| 環境 | 水質・密度の基準化 | 信頼/再訪の動機 |
| 経済 | 価格階段と予約制 | 適正利益/希少性 |
| 文化 | 語り部の育成 | 物語の継承 |
Q. 教育現場では、ヤマメをどう教えればよい?
A. 教科横断で扱うこと。理科は水質、社会は流域経済、国語は物語編集、美術は色の調合、家庭は調理科学。五感のカリキュラムが、地域への手触りを育てる。「学ぶことは食べること」という古い真理は、いまほど切実ではない。













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