退職は「終わり」ではない──10歳警察犬の退官式に学ぶ中小企業のオフボーディングガイド

実践アクション:あなたができる「明日への一歩」

ここからは「Lv.1→Lv.3」の段階別に、経営者・マネジャー・個人の立場で動けるアクションを提示します。すべて、明日から実行可能な粒度に落とし込みました。

経営者向け:組織の“別れ方”を設計する

  • Lv.1(今週):退職チェックリストのドラフトを承認。最終出社日には「感謝の言葉」をトップメッセージとして配信する。
  • Lv.2(今月):オフボーディング・ポリシーを社内公開。アルムナイの最小構成(リスト+ニュースレター+年1回)を決定。
  • Lv.3(90日):ナレッジ移管の標準(10分動画+手順書)を全社横展開。人的資本の指標に「オフボーディング満足度」を追加。

マネジャー向け:業務を“再生可能な資産”に変える

  • Lv.1:退職表明から48時間以内に「移管キックオフ」を開催。役割をモジュール化し、暫定担当を割り当てる。
  • Lv.2:重要業務を動画化。「1業務=10分、冒頭にゴール、終わりにFAQ」。後任と週次でレビュー。
  • Lv.3:顧客・社外向けの移管コミュニケーションをテンプレ化。メール雛形/FAQを共通フォルダに格納。

個人(退職する側)向け:美しい背中を残す

  • Lv.1:棚卸しリスト作成(毎日/毎週/例外対応)。後任向け「初日ガイド(A4・1枚)」を書き出す。
  • Lv.2:10分動画を3本撮る(最重要タスク/危機対応/顧客の約束ごと)。タイトルは検索される言葉で。
  • Lv.3:最終週に「ありがとうメール」を送る。上司・同僚・顧客に個別で。短く要点→感謝→今後の連絡先。
ToDo担当期限状態
NDA再確認・返却台帳人事/本人表明+3日
業務棚卸し(モジュール化)本人/上長+5日
動画3本+手順書本人+14日
顧客/社外周知上長/営業−10日
送別スピーチ/カードチーム当日
退職アンケート/アルムナイ招待人事+7日

スピーチ/メールの即使える雛形

3分スピーチ構成:①出会いの一枚(30秒)②学び/感謝(90秒)③引継ぎの安心(30秒)④未来へのエール(30秒)。
アルムナイ招待メール文例:「この度、当社アルムナイをご案内します。近況交換・学び合い・再会のための小さな場です。ご参加は自由です。登録フォームはこちら(URL)。またどこかで。」

「よい別れ方を練習することは、よい出会い方を手に入れること。」


結び:自分で選ぶ未来

オトは“上司と部下”を卒業し、“家族”になりました。私たちの職場でも、退職者は「裏切り者」ではなく「仲間の別ルート」。その視点を持てるかどうかが、採用難・人材流動の時代を越えるカギです。別れの手触りが良い会社には、人も仕事も再び集まります。今日、できる小さな一手を。感謝・移管・再会。この三点セットから始めましょう。


参考・出典:“鼻の捜査官”10歳のリタイア警察犬「オト」“元相棒”との新生活 セカンドライフは“上司と部下“から“家族“に

その他人事関連記事はこちら(URL:https://news-everyday.net/category/hr/

(文・白石 亜美)

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。