賃上げしないと人が消える。春闘5%時代に製造業が失うもの/守るもの

現場・市場の視点:製造業における経済的インパクト

現場の最前線では、「部材価格の不透過性」「見積もり頻度の低さ」「暗黙の値引き要求」が賃上げ原資を食います。年2回程度の価格見直しでは、為替や物流のショックを吸収できません。Tier2・Tier3の中小では購買力が弱く、原材料の変動が利幅を圧迫します。

一方で、顧客側の大手企業も調達リスクの最小化を重視しています。脆弱なベンダーは供給不安のリスクで敬遠されます。すなわち、賃上げに踏み切り、現場の安定稼働を確保する企業ほど取引継続の確率が上がります。そのため、賃上げは取引継続の保険であり、経営の信用コストを下げます。

この論点は、調達リスク時代の価格転嫁設計(内部リンク)で掘り下げています。要諦は「契約とデータ」です。口約束ではなく、原価指標に連動する条項を契約化し、工程別の生産性データで賃上げ原資捻出を可視化します。

「値上げ交渉」ではなく「原価連動契約」です。賃上げは契約で守ります。

現場課題放置した場合の損失(目安)対策の方向KPI例
人手不足欠員で残業・外注が増えます(※)採用強化と賃金テーブル改定採用充足率、初期離職率
価格転嫁遅れ粗利率が落ちやすいです(※)原価連動条項の契約化転嫁率、見直し頻度
工程ムダOEEが低下します(※)段取り短縮・自働化OEE、タクト、段取り時間
品質不良手戻りで工数が増えます(※)標準作業・再訓練不良率、再発防止率

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