
社長室をやめたら、現場が回り出した—『隣に町長』に学ぶ中小企業のオフィス改革3ステップ
解説・執筆:白石 亜美(実践キャリア解説者 / 元ビジネス誌編集長)
- トレンド(事実):首長が職員と並ぶ役場でのフリーアドレス導入
- ギャップ(課題):評価や制度設計より現場の距離が変わらない
- アクション(白石の提言):席と会話の距離を90日で先に再設計する
「評価制度を変えても、会議は重い、上司に話しかけづらい」。そんな空気を、いちど“物理の力”で壊してみませんか。福島・磐梯町の挑戦は、社長(町長)が隣に座るだけで会話が生まれ、仕事が軽くなることを教えてくれます。制度より先に“距離”を動かす。ここから、あなたの職場も変えられるのです。
目次
- 変わりゆくルールの現在地:町長はなぜ隣に座ったのか
- 課題と背景
- 「フリーアドレス」とは?
- データで見る「個人の悩み・企業の壁」
- 成功事例と視点:磐梯町で起きた小さな革命
- 【Q&A】キャリアの迷い相談
- 実践アクション:あなたができる「明日への一歩」
- 結び:自分で選ぶ未来
変わりゆくルールの現在地:町長はなぜ隣に座ったのか
午前8時半、磐梯町役場に登庁した佐藤淳一町長が向かったのは、重厚なドアの向こうの町長室ではなく、行政経営課の一角。そこには、誰もが自由に選べる席——フリーアドレスの島がある。1年前から一部部署(行政経営課、総務課、教育課)に導入されたこの席で、1月23日から町長は職員と肩を並べているのです。
「より現場に近い方が情報もいっぱいありますし、いろいろな話もできる」。町長の言葉は簡潔ですが本質的です。職員は最初、戸惑いました。けれども、「気兼ねなくフラットに話せる」感触が、すぐに日常へと育っていった。町長室はフリースペースとなり、用途は職員の要望に応じて広がっていく予定です。
ここでのキーワードは「評価」でも「ルール」でもありません。「距離」です。話しかけづらさの根は心理にあり、心理は距離で変わります。制度の議論より先に、動かせる“距離”を動かす。この順番が、文化を動かす最短路なのです。
社長(首長)の隣席は、文化を最短で動かす装置。

磐梯町のミッションは「住民を全員幸せにすること」。そのために、まずは互いの距離を一歩詰める。小さな動作が、大きな成果の入口になります。あなたの職場でも、同じことが起こせます。













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