
建設業の倒産が増える今、「売上3億でも倒産する」社長が見落とす資金ショートの前兆10個
解説・執筆:石垣 隆(経済政策アナリスト / 元経済紙論説委員)
【30秒で把握】経済視点で見るニュースの本質
- 統計事実:最盛期売上約3億円の土木会社が破産、負債5.5億円。施工コスト上昇と価格競争で債務超過。
- 構造課題:「原価未転嫁×長い支払サイト×元請・下請の力学」による資金ショート構造。
- 石垣の提言:値決めの作法と13週CF設計を義務化し、公共・民間の価格スライドと早期支払を制度実装。
BLUF:倒産は景気ではなく設計の問題である。富山の土木業者破産は、原価上昇を価格に転嫁できず、支払サイトの長期化と工期前倒しが重なり、キャッシュが干上がった典型例である。建設業の「値決め」と「資金繰り設計」を標準化しない限り、売上3億円規模でも倒産は続発する。
目次
- 数字で読み解くニュースの全貌
- 現状分析
- 「価格競争激化」とは?経済的定義
- データが示す「不都合な真実」
- 現場・市場の視点:建設・建築における経済的インパクト
- 【Q&A】制度と課題の深層
- 解決策の提示:制度設計と現場の打ち手
- 総括:持続可能なシステムへの提言
数字で読み解くニュースの全貌
富山県射水市の土木工事業「サノ工業」が破産手続き開始決定。最盛期の2022年3月期に約3億円の売上を計上しながら、負債総額は約5.5億円に達した。帝国データバンクによれば、価格競争激化、労務費・外注費の上昇で収益が圧迫され、債務超過に陥った。案件の多くは海岸・港の護岸工事で、富山・石川が主戦場。買収した関係会社(石王丸紙業)も事業停止に至り、グループ全体で資金繰りが崩壊した構図である。一次情報が示すのは「売上3億円でも倒産する」時代の現実である。
「売上は利益を約束しない。受注はキャッシュを約束しない。」














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